先日たまたま、有川浩さんの『植物図鑑』を読んだ。

『植物図鑑』(幻冬舎文庫/税込¥741)
この小説は、著者本人が告白しているように「甘ったるい恋愛」も
確かに含まれているけれど(笑)、
道端に咲く小さな花々への視線が優しく、
著者の「道草」への、愛おしい気持ちを伝えてくれる。
しかもそれを、おいしい料理にもしてしまうという視点。
解説者の池上冬樹さんが「女性ならでは」と書かれているのも
なんとなく、納得がいく。
ということで、そういう話もここにあっていいかな、と思い立ち、
私も、好きな植物について、書いてみようと思う。
やわらかい視点も、嫌いではないので、ね( ̄∀ ̄)
あ、調理はしませんよ、ええ、たぶん(笑)。
で、まず今回は、小説への感謝と敬意もこめて、「カタバミ」。
道端の隅に、張り付くように咲いている、黄色い花。
葉は、クローバーのようにハート型の3つ葉だけれど、
もっと小さくて、茎はときに茶色がかっていたりもする。

(写真はこちらからお借りしています→草花写真館)
なぜこの花が好きかというと、実はその「種」のほうに、秘密がある。
写真で左側にある、上を向いた房状のもの。
ご存知の方も多いと思うが、この房が熟しているときに触れると
実に気持ちよく、はじけるのだ。
つまんだ瞬間、パッと種が散る。
そのつまんだ触感と、はじけ具合が、なんだか気持ちいいんだよね。
花も黄色くて小さい、可憐なものが、房の横で次々に咲いていくし。
子どものころにはよく、つまみながら帰っていた。
そのことを、鬱になるちょっと前のある晩、ふと思い出し。
たぶんそのころすでに疲れていたのだとは思うけれど(笑)、
やってみたらなんか、素直に楽しいと思えた。
ただ、30半ばの女が道端に夜遅く、しゃがんで房をつまんでいる光景は
かなり怪しかろうという自覚はあったので(笑)、
帰り道、誰もいないのを確認して、とか、
肩くらいの高さまで上がっている庭の端や、
植木鉢に生えているのを、そっとつまんでみたりしていた。
はい、それは今でもたまに、やります。
私は住宅街育ちで、今もそういうところに住んでいるので、
こういう小さな草や花に、ときどき「ホッ」とさせてもらえているのです。
そういえば、Wikiでは、「カタバミ紋」という家紋についても
情報が載っていた。
(→ウィキペディア・カタバミ)
生命力も花の時期も長く、子孫が絶えない、というところにあやかって
つけられていたらしい。
可憐な姿をしつつも力強い、まさに雑草らしい雑草、と言えるのかも。
せっかくだから、この生命力に私もあやかろうかな ヽ(゜▽ ゜)ノ♪
あ、可憐のほうは無理ですがね(笑)