いやあ、久々に、自分がこれまで断片的に感じてきたことが
スパンスパンとつながって、「ああ、やっぱり、よかったぁ~」と
しみじみする結果が生まれました。
過去、スピを中心とする宗教的な思想を追っかけてたときにも一度、
世界観みたいなものがそういうつながり方をして
「お、これは面白い!」と思えたのですが。
今回、そのヒントをこんもり与えてくれたのが、
『弱さの思想 たそがれを抱きしめる』という書籍でした。
著者はお2人。
小説家で文学者で文芸評論家でもある高橋源一郎さんと、
評論家で文化人類学者で環境運動家の、辻信一さん
(肩書きはともにウィキペディアからいただきました)。
高橋さんは、まず20代初めのころに『ペンギン村に陽は落ちて』を
拝読し「なんだこの不思議な人は」と思い、そこから
他の作品も読んで「不思議な感性の作家さん(社会派の面もあるのに)」
と思えた方。その後、小説のほうは寡作になられて
作品にお目にかかる機会が減っていたのだけれど、
震災後に始めたTwitterで再び「@takagengen」、高橋源一郎さんを見つけて。
おおっ、とありがたく読んでいたら、
2011年5月17日に、震災と原発問題にまつわる連続ツイートがありました。
「みんな だいじょうぶかい?」
という一文から始まるその呼びかけは、
「さあ、頑張ろう。どこかに「出口」はあるんだから」
というふうに、やわらかく続いていきます。
私たちが陥った状況についての説明のわかりやすさと、
その言葉の温かさに、
うん、なんの力もない一般市民の
(しかもいったんは激弱になった)私でも、
できることあるかな……あるかもな……
と、スッと、落ち着いて、素直に思うことができて。
改めて、小説家の扱う言葉の力と、
高橋さんご自身の懐の温かさを「すごい」と感じたのでした。
この連続ツイートは残念ながらまとめられていないので、
気になる方は上記リンクから2011年5月17日までたどってください。
一方の辻さんは、私、仕事の関係で一時期、ご著書や対談会などを
一気に熟読・拝聴する機会があって。
そのときは主に環境分野だったのですが、それこそたくさん、
環境系の知識や情報、考え方を学ばせていただけて
気持ち的には「その節、勝手ながらたいへん助けていただいた方」という感じ。
ちょうど「キャンドル・ナイト」の呼びかけなどもなされ
エコロジーが盛り上がり始めた時期でもありました。
それでもって辻さんに対してもやはり、「不思議なご経歴と活動を
なさっている、自由な感じの方」という印象があり……。
どちらもいい意味での、ワクワクで温かい、
ステキな「不思議」感なわけですが(現在、お二人ともに
明治学院大学の教授でもあられて……、いいなあ、明学)、
そのステキな「不思議さん×不思議さん」が、
人間の「弱さ」について対談してる書籍、と言われたらですよ、
そりゃもう、あなた!
一般的な「社会的弱者・擁護論」であるはずがない。
てなことで、いそいそと、その本も現地で買えるという
「発刊記念対談」、トークイベントの会場へと、足を運んだのでした。
……どうしてもいろいろ語りたくて(笑)長くなったので、
本の魅力と社会のステキな展望については次へつづく。