最近読んだオススメ本が着々と溜まっていく一方なので
とりあえず1冊、いちばん強烈なものからご紹介したいと思います。
私が、仏教・スピ・キリスト教・心理学・社会学・その他で
読んだ本のうち「これ、いい」と思ったもの、
他者から聞いたりしたなかで「うん、なるほど」と思えたもの、
そしてよくオススメさせていただいている、
カウンセラーの心屋仁之助さんや書道家の武田双雲さんが
おっしゃっていること……。
あとは啓発系のビジネス書なども含め、だったのですが、
それらに結構、共通していて、そこから感じて私が何度も書いている
「受け止め方を変えられるのは自分」
という言葉……。
その言葉の、たぶん「大元」さんであられたのが
心理学者、アルフレッド・アドラーさんでありました。
知っている方には、今ごろそれに気づいたのか! という突っ込みを
受けるかもしれませんが(笑)、
私「○○学派」等では区分してなくて、片っ端から乱読なのですよ。
たとえば河合隼雄先生や、下園壮太先生が「何学派」であるかは
別に知らなかった。基本、大きい本屋でざっと目を通して、
読みたいと思えたものを買っていたから。
そして、たまたま学派を知ったとしても、その先生の語り口、のほうが
ずっと大切だったので、学問的に追いかけることはしていなかったのです。
独学で心理学を学ぶのではなく、自分が生きやすい方法を模索してました。
で、今回の本はたまたま最初から「アドラー心理学」と紹介を
されていたので、ふーん、と思っただけでした。
が、しかし!
今まで本やブログ等で受け取ってきたものと共通項いっぱい、
私が言ってきた「かわいそうごっこ」も、言葉を変えて説明されてて。
んまあ! すごいわ、これ、わかりやすい! となったのです。
心屋センセも先日、この本についてブログを書かれていて、
それについては「なう」でご紹介もしましたが、
いや、この本、本当に著者たちががんばって、
内容てんこ盛りでしっかり書いていらっしゃいます。
たとえば、劣等感と「劣等コンプレックス」の違い。
劣等感は、実はよいものなのだけれど、コンプレックスになるとダメ。
「どうせ○○だから」という人は、必ずその裏で
「つまり私は○○がなければ、すごく素晴らしいんですよ!
本当はそのことを認めて!」と叫んでいる。
「優越コンプレックス」の人も、
「本当は劣等コンプレックス、私のなかにいっぱい」と
裏ではわかりやすく示している。
なのでそんなヤツに怒る必要なし。
そして、怒りという感情を自分が優位になりたいがために使い
他者と「勝ち負け」を展開し始めると、
必ず相手に復讐を持ちかけられる「戦い」になる。
その究極の形のひとつが「リストカット」にもなりうる、
つまり復讐で命をも賭けられてしまう……。
(この辺、簡単に要約しているため、そんなのじゃないもの! と
反発される方もいらっしゃるかと思いますが、そういう側面もある、
という示唆が載っている、という話です)。
過去の悪い出来事に縛られることを「選んでいる」のはあなた自身である。
たとえば昔からの病気を使って「ほら私、かわいそうでしょ」と
特別扱いを望む、そっちの捉え方を選んでいるのもあなたである
(だからいつまでたっても「あなた自身が自分で不幸を選び続ける」、
私が言う「かわいそうごっこ」もこれです)。
過去を「問題」として、または「原因」として、
それをあれこれ、うまくいかない理由や言い訳にしているのは
あなた本人の選択なのですよ、という話。
……むかつくよね、普通、こういう書き方されたら。
あるいは落ち込むかな。
でもね、それ、変えられます。
本の中では、思いっきり反発する青年と、
アドラー心理学にも通じている哲学者との対話形式が使われているので、
「その視点の変え方」もわかりやすく載っています。
ただ、それをする「勇気」だけは、あなたが選んでください、と。
あなたが自分で選ばない限り、あなたの「世界観」は変わりません、と。
他者への怒り、自分をうまく扱えない怒り、
自信のなさ(それはただの思いこみ、ではなぜそう思い込むのか)、
コントロールそのものから離れること、
怒りを「ずるく」使わない方法……etc.
論破されていく青年の姿に、自分がどこかの部分で、
必ず重なっていくと思います。
「うまくいかない」と思っているなら、
「表面上だけの優越感や満足感」に、うっすら、気づいているなら。
少しずつでいいので、最後まで一読する価値はあると思えますよ。
ちなみに私は今、じっくりしみじみ、読み直し中です。
そして再び、うなるばかり。
岸見 一郎、古賀 史健 著
ダイヤモンド社 刊
¥1,620